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続・YouTube動画がバズる仕組みを攻略(仮説『ジュース理論』)

前回、YouTubeロジックを攻略する「動画がバズる仕組み(仮説『ジュース理論』)」の記事を投稿したら、わりとマニアックな記事にも関わらず、Twitter経由で1万人以上も記事を見てくれたようで、本当にありがとうございます。今回はその続編にあたる内容になります。

今回も気合を入れて書いたので、長文につきお時間のあるときにじっくりご覧ください

 

 

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まずは、前回提唱した『ジュース理論』を裏付けるデータを共有したいと思います。『ジュース理論』の詳細はこちらをご覧ください。

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■ 『ジュース理論』の実践例

上記の画像は、『パジちゃんねる』とは別のチャンネルのデータです。開設2ヶ月経過でまだ累計で3本しか動画を配信していません。ただし、平均維持視聴率はご覧の通り50%-90%と満足度の高い動画に仕上がっているため、(ブレが大きいのですが、)じわじわとミルフィールのように視聴回数が積みあがって、徐々に視聴数や(純度の高い)登録者数が増えていっています。

『ジュース理論』の実践で大事なのが、初期は純度の高い視聴者を集める絞り込みです。最初に企業的プロモーションなどで、ジャンル関係なく間口を広く獲得してしまうと、このチャンネル登録者たちに「動画更新通知」が飛んでしまうことで、本来はポテンシャルの高い動画だったとしても、YouTubeの神には「満足度の低い動画」と判断されてしまうことがありえるということです。特にチャンネル登録者は、一般的にはそのチャンネルのファンだから登録するものなので、YouTubeの神に”勘違い”を起こさせるリスクが高いと考えています。 

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その状態に陥ると後戻りできない(あるいはかなり厳しい)不可逆で、チャンネル開始時によくよく考えて、そのニッチジャンルと純度の高いファンを獲得しながら、途中でいかに広げていくか(あるいはピボットするか)を決めるという順序で進めるのが大事なのだと思います。

ただ、登録者を集めていないうちは挽回がききます。実際に、『パジちゃんねる』の例では、最初にわりとまびろにいろいろなテーマで展開して当たりを探っていました。途中で相性の良いジャンルを見つけてからは、同じジャンル・テーマの動画だけで展開して、純度の高い登録者たちに満足度の高い動画を配信する(クリエイター視点でいうとちょっとめまいがするかと思いますが、私の場合、目的が特殊なのでご勘弁を)といった順番でも成り立つと思われます。

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上記の画像は、3本ある動画の1本の視聴数の推移です。30日間かけて2万回視聴とジワジワと再生回数を伸ばしてきています。ニッチキーワードの選定時に、このジャンルには一定量の『ジュース』があることは分かっていましたが、投稿当初は正直どこまで再生数が伸びるかは未知数だったため、投稿して最初の1週間は動画の満足度が高いのに、YouTubeの神は見てくれているのだろうかと少しだけ不安になりました(ちなみに、初日の平均視聴維持率は90.1%でしたが、再生数はわずか17、インプレッション数も85でしたので、この不安感は伝わるでしょうか)。

ただ、その後、1日毎にしっかり再生の『ジュース』を流し込んでくれることが分かってきて、いまはおそらくこのペースだとあと数ヶ月かけて5万〜10万再生は固いという確信をもてるようになっています。

■ チャンネル開設をしてから何をすべきか

私は、YouTubeはこれから本格的にトレンドが来ると思っているので、まだ世界がYouTube化していない今は、実は黎明期くらいなんじゃないかという感覚でいます。そんな前提にたつと、5Gやwithコロナもあいまって、これから個人がYouTube上でチャンネルを開設していく流れが加速してくと思います。これは実名文化は日本にはなじまないと言われたFacebookや、著名人含めあらゆる業界人やそのファンがTwitter/Instgramに流れていったトレンドとまったく一緒です。

そんな流れで、YouTubeチャンネルを作っていく時に、仕事でプライベートでもこれからチャンネルをどう盛り上げていくか、誰もが悩むと思います。

私はチャンネル開設当初の考え方は、その時点のコンテンツの状況によって大きく2つに分かれると思っていて、

  1. 他メディアでも人気がある
  2. メディア露出ははじめの取り組み(あるいは人気がそこまでない)

という切り分けで考えると良いと思っています。

 この中で、1の「他メディアでも人気がある」場合は比較的シンプルです。これまでのメディアで読者や視聴者が何に魅力を感じていたかを、「映像」という複合的な表現でどう魅力を最大化するか、ということに尽きます。

ほんだのばいく」はこの1の良い例でしょう。女優として活躍しつつ、2018年9月にYouTubeチャンネルを開設、投稿本数11本で登録者200万人。このチャンネルはご本人が動画の編集まですべて制作されていると聞いていますが、自己プロデュース力が凄まじいなぁと思うのです。バラエティでも活躍できる女優としての実力はもとより、ルックスに見合わないガチゲーマーだったり、色々な魅力がある本田翼さんですが、女優やテレビに出ていない素で自然体の本田翼さんはこれまで未知の姿でした。その魅了xこれまで未知の部分を最大限発揮されたチャンネルに仕立てて、プロフェッショナルな映像でも、先鋭的な企画でもない(おそらく制作費もほんとうにわずか)のに、このファン数を一気に取り込んでしまったのですね。

YouTubeというアマチュアが集い、(目が肥えていない)視聴者が集まる場所に対して、ごりごりのかっちょいいPVやMVを作ったりして「どや」とやるのではなく、テレビやプロレベルからは何段階も品質や目線を落とした動画作りを、自然体でやってのける、これが「他メディアでも人気がある」人が一気にYouTubeという場所で適応できた理由だと考えます。

これからYouTubeもプロフェッショナルがもっと入ってきて、二極化していくとは思いますが、いい意味で視聴者は信じられないほど「ゆるゆる脳」でYouTubeサーフィンという時間を過ごすので、そこに格式張った姿勢で取り組んでも、「幼稚園のお遊戯会にプロ劇団がやってきてみんなしらける」みたいなことになるのですね(ただし、他のメディアから元からいたファンが呼び込めれば、もともといた場所のクオリティとの一致がしやすくはなる)。歴々のクリエイターにとってきついのは、そういった力を抜いた仕事が喜ばれる視聴者、動画の編集もプロになりきらないほうが伸びる、というのは、「創作活動のプライド」との兼ね合いで、どうしても妥協できなかったりするわけです。

 2の「メディア露出ははじめの取り組み(あるいは人気がそこまでない)」は、私を含めてほとんどの方がカテゴライズされるケースかと思います。この中でも正解ルートはいくつもあると思いますが、私がここまで検証してきたデータからひとつ確実に言えるのは、「時間をかけてでもニッチジャンルで満足度の高い動画を作ることだけに集中する」です。

これは『ジュース理論』で得られた(YouTubeというプラットフォームが築いているビジネスとクリエイターを同じ方向性に向かわせるための)インサイトに基づくもので、YouTubeチャンネルの運営者になったら、まずは、どんなジャンルでNo.1になるかを考えていくべきと思います。客観的に見て、そのジャンルでNo.1になれないとしたら、もっと絞り込んだジャンルでNo.1になる、あるいは別のジャンルを探して見る、ということです。

VTuberで言えば、VTuberという表現の文脈に乗っているだけでなく、ゲーム実況なのかライブ配信なのか、ゲーム実況であればどのゲームでNo.1になるのか、そのゲームでもどういう遊び方でNo.1になるのか、というところまでニッチの中のニッチまで深堀りして、そのジャンルでは確実に視聴者の満足度が得られる動画を作る、というイメージです。

ここで、なぜそのYouTubeチャンネルを開いたのか、という前提条件によって話が分岐していくのですが、もし、単に趣味で自分が好きなことを発信してアーティストとして表現するということであれば、こうした逆算的なロジックはぜひ参考になさらないほうがいいです。逆に、シンプルにジャンルはある程度幅をもたせていいのでとにかく人気を出していきたいということであれば、このマーケティング的な手法とは相性がいいと思います。

■ チャンネルを育てるために考えること

次に考えたほうがいいのが、YouTubeチャンネルが育つまでのスパンです。2のケースでは私は最低でも1年の覚悟が必要と考えリソースや予算を組むべきと考えています。実際取り組んでみて分かったのは、YouTubeの動画の満足度を測る評価の仕組みは、「慎重すぎるほどにじっくり」と判定されていきます。1日毎にちょっとずつ、そのジャンルに興味がある視聴者にとって最大満足度を与えられるような『ジュース』の配り方をしていくので、(よほど賞味期限が短い動画は別にして)その動画1本のポテンシャルを最大限発揮するまでには、特にチャンネル登録者が少ない初期はこれまでのインサイトからも少なくとも1ヶ月以上はかかると考えられます。初期は満足度が高い動画を作るのはなかなか至難の業なので、試行錯誤と動画のポテンシャルの検証をしていたりすると、あっというまに3ヶ月、半年は経過してしまうのです(それに、なにより動画1本を作るのって企画から撮影から編集まで本当に大変)。

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さきほども紹介したこのグラフを見ていただければ、その『ジュース配分』の様子が分かります。この動画は公開から30日経過した2分弱の動画で高評価は1,000件超え平均維持再生率もいまも80%という、そのジャンルに興味がある人たちにぶっ刺さった”満足度の高い”動画になりますが、本当にジワジワと伸びていっています。毎日すこしずつ『ジュース』が適切な範囲/セグメントのファンに配られていって、システム的に制御されている様子がわかると思います。

■ 満足度の高い動画を作るには

『ジュース理論』を実践する上で、重要になってくる要素が、動画ごとの視聴者の満足度=「平均視聴維持率」や「高評価率」であることは前回お伝えしたとおりです。特に、「平均視聴維持率」をどう高めるかは、動画再生が伸びるロジックを解明したあとに必ず突き当たるところで、特に私のように演者スキルも編集スキルも足りていないと、維持率が下がるボトルネックを埋める=バケツの穴を塞ぐことが、まずは効果的だと考えます(余談ですが、先日動画撮影した際に、『悲喜こもごも』という単語がどうしてもキレイに発音できずリテイク10回した時には自分で自分を呪いましたw)。チャンネルを作った初期の段階では、いきなり満足度の高い動画を作れる一部の天才は除いて、多くのチャンネル運営者でも当てはまることだと思います。往々にして動画1本にかけられる予算や労力にも影響してきます。 

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そこで、私がこれまで作ってきた動画の中で、「平均視聴維持率」が上下しているシーンを振り返って、「動画内にこういうシーンがあると維持率が下がる(あるいは維持できる)」という項目をまとめてみました。正直、自分の過去動画を振り返るなんてソワソワしてしまってやりたくもないwですが、あとで誰か第三者にグサグサ言われるよりはマシという気持ちだけで心の中で泣きながらこれをまとめています。

 

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前提として、『パジちゃんねる』は50 - 60歳前後の方に支持されているちょっとレアなチャンネルなので、一般的には早口で情報と内容を詰め込んだほうが満足度が高いはずが、そうでもない、みたいな特殊な状況かもしれないので、あらかじめご了承ください。ここで伝えたいことは、PDCAを回す上でも、一定量の動画が溜まってきたら、このような秒数単位で出力されている「平均視聴維持率」を見ながら、何が良くて何が悪かったのかをしっかり振り返りましょうということです(でも自分が演者だとホントに嫌なもんですw)。

【維持率が下がっていたシーン】

・本題(=サムネイルとタイトルから興味を持ったテーマの内容・以下同)と関係ない自己紹介

・小難しいカタカナのキーワードや専門用語
・英語で話す(ワンセンテンスでも)
・動画の終わる雰囲気を出す
・本題に入る前の前置きが長い
・誰でも知っているあまりにも当たり前の説明
・本題と関係のない雑談が入る
・興味のない内容の説明
・本題のテーマから一見外れるような話の流れ
・言い間違え、話が詰まる(1秒ほどの間)
・説明がわかりづらく理解できない
・動画が終わりかけるようなまとめの説明
・「終了画面」が20秒など長すぎる

【維持率が上向き/維持できていたシーン】

・本題のキーワードが出てくる
・字幕テロップに普段ない色使いなどの工夫
・問いかけや共感を覚えそうな話
・境遇が似ているシーンを連想させる
・本題のテーマに関わる自己紹介や実績
・本題に関連したOne more thing=「(価値ある)おまけ」の説明
・あるあるネタ
・もう少しで本題に入りそうな口ぶり
・本題とするテーマをたくさんの人が興味を持っている説明
・動画の内容が低次元すぎず難易度として中級編という説明
・「ほとんどの人が知らない」「とっておき」など期待感を上げる言葉
・「危ないので対策しましょう」という危機感と対策のセット

 ということで、チャンネルのテーマやジャンルごとに改善ポイントはかなり変わってくるかもしれませんが、共通する部分があったらぜひ活用してみてください。個人的には「(価値ある)おまけ」のシーンが伸びるのは汎用的に使えそうかなと思いました。


■ 動画のサムネイルを深堀る
このパートではYouTubeチャンネルを始めると、みんなが気になる動画のサムネイルとクリック率/再生数の関係をざっくり検証してみました。

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動画クリエイターにあるまじき行いかもしれませんが、私の動画は検証のためもあり、動画サムネイルを検証のためにほぼ統一の背景画像にしていて、文字だけを変更してどんな変化があるかを確認してみました。

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上記のデータからは、「サムネイルのクリック率が高くても必ずしも再生数が伸びるわけではない」ということは確定的だと思われます。少なくとも数万回から10万回再生くらいの規模を狙うのであれば、サムネイル作成で頑張りすぎないでいいかも、という風に見えます。この結果を見る限りは、『ジュース理論』で分かってきている動画の満足度ほうが評価の比重が高いと思われます(YouTubeのビジネス構造上、動画の再生時間やエンゲージが広告収益にダイレクトに効くので当然なのかもしれません)。

その他、仮説も含めて、こんな動画のタイトルやサムネイルにはこんな感じの傾向があるように見えます。

・同じ画像で文字だけ変えてもクリック率は3%-6%程度幅がある
・再生数が伸びるとクリック率が下がる可能性あり(セグメントがゆるむから?)
・そのジャンルでホットなキーワードが入るとクリック率が高い
・専門的なタイトルになりすぎるとクリック率が極端に低くなる
・サジェスト候補どんぴしゃのキーワードがクリック率高い
・画像文字が長くても短くてもクリック率が高いことがある
・画像文字の内容が大事で画像の文字サイズはクリック率にあまり影響していない

もうひとつ有用なデータがあるので、こちらも共有します。私の『パジちゃんねる』の解説動画というジャンルでは3〜6%というレンジに収まっていました。

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ただ、上記のように、別ジャンルでは9%-15%という数値も出ることが確認できたので、例えば、サムネイルのクリック率が6%だから良い/悪いという判断は早計です。そのジャンルごとに違う可能性が高いため、もしサムネイルの改善に取り組むのであれば、ジャンルごとの基準値が違うことを覚えておいたほうがいいと思われます。 

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ちなみに、私は「サムネイル」について仮説としておいているのは、どんなにサムネイルのクリック率が高くても、動画の「実力」が足りなければエンゲージが薄い視聴者を呼び込んでしまって、逆にリーチ数の拡大や再生数に悪影響さえ出る可能性もあると思われるので、あくまで平均視聴者維持率や動画のエンゲージの動画としての「実力の高さ」が担保された上で、サムネイルのクリック率を上げるべきかと考えています。

 サムネイルだけ気合が入っていてクリックはされるけど、動画の中身がともなっていないと、急ブレーキがかかるというようなイメージです。CTRは高いのにCVRが低い広告バナーみたいな感じでしょうか。


■ リーチを伸ばす最適なサムネイルは?

上記で、サムネイルのクリック率は動画の再生数にはあまり影響がなく、動画の満足度が担保できない状態で下手に広く浅くクリックを集めてしまうと、逆に本来その動画が持つリーチや再生数のポテンシャルを抑制しかねない、というようなことを考察しました。そうは言ってもやはりサムネイルのクリック率は気になるという方のために、もう一段深堀りしたデータを共有します。

まずは、サムネイルの表示回数=インプレッション数について共有します。チャンネルによって差があると思いますが、『パジちゃんねる』ではデバイス別の視聴数はこんなシェアになっています(意外とパソコンが多いのはパソコンソフト中心のテーマだからだと思います)。

スマホ(携帯電話):50%
パソコン:30%
タブレット:15%
その他(テレビ/ゲーム機):5%
※インプレッション数のデバイス別シェア率、全期間で約600万回の集計

 次に、サムネイルが表示されるインプレッション数の比率=ジュース理論でいう「表舞台」はどこかなのですが、

ブラウジング機能:230万回/38%
関連動画:340万回/55%
YouTube検索:35万回/5%
その他(チャンネルページ/再生リスト):10万回/2%

このようになっています。

「ブラウジング機能(おすすめ)」と「関連動画」が圧倒的にジュースが溢れている(=インプレッション数を稼げる)場所になっていることが分かります。登録者が増えてくると、チャンネルページや再生リストからのシェアも伸びてくると思いますが、いかに「関連動画」や「ブラウジング機能」に多くのジュースが集まっているかが把握できると思います。ちなみに、私のチャンネルは未来永劫立てない可能性が高いですが、未知の舞台「急上昇」は、トップYouTuberたちを見ているとえげつないインプレッション数/再生数が保証されているように見えます。

 そして下記がもっとも大事な舞台別のクリック率です。

ブラウジング機能:3.75%
関連動画:2.44%
YouTube検索:5.08%

「YouTube検索」は狙ったキーワードに応じた動画の外見(サムネイル、動画タイトル、タグ、動画の概要欄)でセグメントしやすいため、相対的にクリック率は高く出ています。重要なのは、「ブラウジング機能」や「関連動画」といった表舞台に出た時に、クリック率が下がりすぎないことです。「表舞台」ではどうしてもセグメントが緩むため、一定はクリック率が低下はしかたがないと思われますが、インプレッションという『ジュース』が溢れている場所で獲得したジュースをこぼさずに、適切にグラスに注ぎ込むための存在が(クリック率にダイレクトに影響する)サムネイルや動画タイトルということになるわけですね。

動画のサムネイルや動画のタイトルは、1本の動画ですべて共通で1つしかセットできません。ただ、動画投稿後にも編集が可能なので、過去動画と比べて数字が芳しくない場合、「やり直し」が可能なのです。 

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上記画像のようにサムネイルのクリック率を舞台別に集計して、平均よりも悪いサムネイルや動画タイトルの修正を行うことで、的確な視聴者のセグメントにターゲットし直せます(よくニュースメディアで記事公開時とアーカイブ時でタイトルを変更するようなイメージに近いでしょうか)。

これは1本の動画を作る労力に比べればコストは低く済むので、動画のポテンシャルが発揮できていない時の『ザオラル』のような復活できるかもしれない呪文(笑)になると思います。

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ちなみに、サムネイルの改善において念頭に入れておきたいことがあります。上記のように舞台毎に表示サイズに特徴が違うのです。シェアが大きい「スマホ/パソコン」「ブラウジング機能/関連動画」のそれぞれで、どんなサイズでサムネイルが表示されているかを(画像参照)。実はサムネイル画像はパソコン版はかなり小さく表示されてしまうのですね。

「平均視聴維持率」をどう高めるかという視点で、サムネイルや動画タイトルに共通して考えておいたほうがいいのが、「視聴者の興味」と「動画の外見」と「動画の本題」をできるだけ一致させることだと考えてます。

具体的には、
視聴者の興味:検索キーワード、関連動画、関連の再生リスト
動画の外見:サムネイル、動画タイトル、タグ、動画の概要欄
動画の本題:動画の内容
などです。

YouTube上にアウトプットする表現において、これらをキレイに同じテーマや内容に統一し、最適な範囲まで絞り込むことが大事なのかなと。表現を適切に明確にすることで、維持率を下げてしまう「ノイズ」を除きつつ、動画のポテンシャル通りにリーチを伸ばし、最大公約数的な最適な範囲の動画のキーワードや内容を狙う、という両面のバランスを取るとイメージです。

各テーマやジャンルごとに「ジュース」の絶対量は決まっているので、より大きなジュースが溢れているキーワードやテーマまで「動画の外見」を広げてジュースの濃度を薄めないように。ようは欲をかかないように適切な範囲まで絞り込むという感じでしょうか。厄介なのは、サムネイル画像にしても、動画タイトルにしても、タグ付にしても「動画の外見」はチャンネル運営者が胸先三寸で適当に広げることができ、私なんかは欲に負けて「Zoomx中級者向きの機能」だけの解説動画なのに、主語の大きい「ビデオ会議」全体を取ろうとして再生が全然伸びず、みたいなことを繰り返していますwスタートアップ界隈で教訓じみて言われる「最初はスケールさせるな」という言葉が染み入ります。

そういった事も踏まえて私の現時点での考えは、(日本のYouTube独特らしいのですが)内容を示す文字入りサムネイルや動画タイトルの方向性としては、「主語を広げすぎず的確なセグメントに絞り込んだタイトルとサムネイルの文字を一致させる」ということの徹底が凡人が取るべき作戦なんじゃないかなと思います(もちろんこういう細かいマーケティング的な施策をしなくても突き抜ける素晴らしい動画や演者もいらっしゃるのでこれがベストと言い切るつもりはまったくないです、はい)。サムネイルの色味やデザイン性はチャンネルブランドを高めるもので、これはこれで別軸で考える必要がありますが、まずは視聴者を期待した本題と違う内容でがっかりしないように絞り込みが大切かと思います。

 
みなさまのお役に立てましたらこれ幸いです。
それでは今日はここまでここまで、バイバイバーイのバイ!