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ブロックチェーンは僕の嫁。スタートアップについて色々書いていきます

なぜブロックチェーンなのか?スタートアップ界隈で知っておきたい5つのこと

Tokyo Otaku Modeという海外へ日本のオタク文化を発信している活動をしている安宅です。先日から、有安さんが立ち上げたスタートアップの起業家が集まるLINEグループ「スタートアップ界隈」に参加させていただいています。つい最近、ブロックチェーンの活用について質問があったので回答しようと思ったのですが、いつも通り長くなるのでブログの記事にして答えてみようと思います。

 

 

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1. オンライン完結ビジネスのリベンジマッチがはじまっている

ざっくりいってしまうと、インターネットビジネスがスタートアップでも大きく台頭できていたのは、オンラインで完結するビジネスであれば、恐ろしいほどスピーディーに世界中に広げていくことができる恵まれた環境下で、初期コストもかからず、かつ少人数であっても知的生産性中心に勝負できていたからです。

ところがインターネットが実用化してから20年経ち、近年のスタートアップはオンライン完結のビジネスはもうやり尽くされていて、IT系スタートアップといえども「オフライン」も組み合わせてビジネスをしていくフェーズ、もしくはほぼ中身はオフラインビジネスで”側だけオンライン”というスタートアップも少なくない状況にあります。これはこれでなかなかGAFAを超えるようなスケーラビリティを持つサービスが生まれづらい成熟段階になってしまったともいえます。

ところが、ブロックチェーンを活用をすると、勝者がほぼ確定しているオンライン完結のビジネスをもう一周やり直すこと、あるいはいまからでもGAFAに対抗ができるのではという期待が出てきているのです。「ソーシャル」の概念が生まれた時に、FacebookやInstagramが出現したり、ソーシャルゲームといった新しいジャンルが切り開かれたように、まだ新しい技術であるブロックチェーンでオンライン完結ビジネスの”リベンジマッチ”がいま行われようとしています。

 

 

2. ユニコーンを遥かに凌ぐ企業が生まれてきている

スタートアップ起業家の視点に立つと、企業価値が1,000億円超えの事業を作ること、いわゆるユニコーン企業になることがひとつの目標としている起業家も少なくないと思います。

企業価値の観点でいえば、日本国内ではビットフライヤー、リキッドなどの取引所はすでにユニコーンに到達していると言われていますし、その決算公告には驚くべき数値が並んでいますが、これはまだまだ序の口です。ブロックチェーン業界内でもっとも衝撃的な企業は約1年でドイツ銀行を超える利益を叩き出した世界最大の取引所バイナンスであり、ブロックチェーンを活用してトラストレスで「資金調達」を行えるようにしてしまったイーサリアムです。

特に、イーサリアムは2015年の開始からわずか4年で時価総額は2兆円超えを果たし、ユニコーンを20倍の価値をわずか4年で成し遂げてしまいました(個人的に時価総額の話ばかりでためらわれるのですが、数値で社会的インパクトを示す上で理解しやすいためこうして書いています)。イーサリアムは『世界中の価値の移転』という重要な機能を担っていることに加えて、ブロックチェーンだからこそできた、企業の枠を超えた共創モデルになっていることがこの短期間の間にありえないほどの成長を果たした要因になっています。ブロックチェーンを活用すると、1社のためでなく、コミュニティ全体のための非中央集権的な設計ができ、大企業やスタートアップや個人などすべての力を同じ方向に結集させて、スタートアップ1社ではとても実現できないスピーディーかつパワフルな事業成長を描けることが、イーサリアムの出現によって証明されているのです。

ちなみに、ここでいう時価総額はイーサリアムのトークン全体の価値なので、イーサリアムを運用するイーサリアム財団の時価総額とは一致していない(見積もれていない)ということを付記しておきます。

 

 

3. デッド/エクイティに次ぐ第3の選択肢=トークンによる調達

スタートアップでは、事業やプロジェクトは資金調達なしには語れません。これまでの歴史上、その調達方法は、基本的には「株式(エクイティ)」「デッド(借入)」のふたつしかありませんでした。そこに突如として現れたのが、ブロックチェーンを使った「トークン」による調達です。「トークンによる調達?」といってもイメージが湧きづらいかと思いますので、ざっくり説明すると、「ブロックチェーン上に誰も改ざんできない株券のようなものを誰でも発行できるようになり、世界中の誰でも売買が可能になってしまった」ということです。

そして、前述のイーサリアムは、「事業やスタートアップを興すときに必要な『資金調達』をトークンで簡単にできるようにしてしまった」のです。すでに数千億円以上の調達がイーサリアムを通して行われています。(資金調達以外の使い道もたくさんありますが)その社会的インパクトがこの時価総額にあらわれているのです。トークンで資金調達するときに必ずイーサリアムが必要になる構造になっているため、いわば国家や金融機関なしで株式の仕組みを作って運用されてしまっているということです。

日本国内におけるトークン(NFT含む)による資金調達というのも、すでに成功例がいくつも出てきており、直近ではクリプトスペルズがスタートアップの資金調達にはとても有意義なものになっています。この記事 は資金調達を検討されている方は目を通しておくと、新しい世界が開けると思います。

スタートアップの起業家にとってエクイティとならぶ新たな資金調達の仕組みができ、かつ資本主義のルールにおいて、投資した側が経営や事業に対してガバナンスを効かせられる(口をはさめる)というのは、ビジネスにもよりますがメリデメが確実に存在します。その選択肢を知らないまま起業して、「こんなことになるなんて」と数年後に後悔するより、いままさに目の前で起こっている世界の資金調達の情勢をしっかり把握し、資本政策という大事な意思決定をできることにこしたことはありません。トークン(NFT含む)は2015年から急に生まれた第3の選択肢なので、耳慣れないかもしれませんが、知っておいて損はないことだと思います。

 

 

4. トークン活用でサービスの作り方が変わる

価値を移転させることが気軽にできる『トークンエコノミー』の世界では、事業やビジネスの成功がトークンの価値を上げることになるため、そこに参加するいち利用者も事業やサービスの成功を願うようになり、特にSNSやイベントなどを通じて有志が自発的に事業やサービスを草の根的盛り上げを行なってくれるようになります。これらはいわば、スタートアップでいうストックオプションを、社員だけでなく、利用者にも配ることができることを意味していて、個々人が自然と自社サービスを盛り上げてくれるような共犯関係を作りやすくなります。

また、利用者もトークンを通じて「ステークホルダー」になることで、より利用者にフレンドリーなサービスが生まれることも期待されます。例えば、中毒性の高いゲームを作ったとしても、やりすぎて健康被害が出るようなサービスとなると利用者は反対の意思を表明するはずです。利用者も含めて全員がステークホルダーとなることで、サービスに関わるみんなが同じ方向を向いた意思決定が促されるのです。より良い社会の実現のための有力な手段になると考えられています。

 

 

5. 現実からバーチャルへ価値が流れ込むのはこれから

インターネットの情報には(コピーがゼロ円でできてしまうから)価値がつけられず、現実世界と比べても、例えばデジタルで描かれた絵でも画集として紙で販売すると1,000円の価値がつくのに、デジタル画像だと1,000円の価値が出しづらい、という現象が起こっていました。

そう考えると、現実世界の価値がインターネットの中へ価値移転がほとんどなされてこなかった、ということに気づかされるでしょう。(価値の移転ができないインターネットが当たり前になりすぎて、そうした重要な事実にも気づけないくらいになってしまっていますが)。考えてみれば、有名イラストレーターの絵が、紙で販売する時に価値があって、バーチャルになると価値がゼロに近づくというのは不自然だったのです。

ところが、ブロックチェーンを使うと、いままで価値がゼロだったインターネット上の情報に価値をつけることができます。(詳しいシステムの話はここでは省きますが、)ビットコインもそのデータを辿ればただの英数字の一行に過ぎないのにも関わらず、1枚100万円近くの価値がついているということが、その証明です。みんなで監視し合うことで、みんなで信頼を担保しあっているのです。

インターネットが生まれて、バーチャル世界で過ごす時間が急激に増えていっています。ひとりの人間として現実での世界と同等かそれ以上の生活時間をバーチャル世界で過ごすとしたら、そこに現実世界でいう「家」や「服」や「絵」など「衣食住」などで現実世界では価値がついているものを揃えていくことはなんら不思議ではありません。ただ、これまではそうしたバーチャル世界にはコピーができて価値がつけづらかったため、価値をつけずに流通させてしまっていただけで、今後はこうしたデジタル上のものにも価値がついて資産性も帯びさせることができます。

デジタルで創作したものに価値がつきだすと、これまで現実世界で価値を売買していた世界がバーチャルへも展開されて、現実世界からバーチャルへの流れは今後止まらなくなるでしょう。紙幣がデジタル通貨へ、創作物がデジタルへ、バーチャル世界の「衣食住」もデジタルで価値を持ち、そしてそのときに資産性を帯びさせることができたら……。バーチャル世界の限定のフェラーリが世界に1つだけと証明して、仮に1億円しても資産性を帯びて1億円以上の価値を持ち続ける、なんてこともブロックチェーンによって実現できてしまうのです。

現実世界からバーチャルな世界への価値移転はまだこれから始まるところです。現実に価値があると思われているあらゆるモノがバーチャル上でも価値を持ち出す時、私たちが見てきたインターネットはまったく別のなにかに変わっていくのだと真剣に考えています。

 

 

以上なにかのお役に立てましたら幸いです。ブロックチェーンがより良い社会の手段になることを願っています。

 

最近は、Tokyo Honyaku Questというサービスをリリースしたりしています。舞台裏のブログもよろしければご覧ください。Twitterアカウントはこちらです、よろしければフォローしてください!感想など@付きで送っていただけると励みになります。